「商社の営業って何してるのか知ってる?」
と聞かれて、即回答できる方は少ないと思います。
現在就活中の方、保険業界へ就職が決まっていて勉強したい方等に向け、本記事では商社の営業についてを解説します。
商社の営業って何するの?
結論、一言で言えば「多様な商品やサービスを国内外の市場に提供し、取引を仲介する仕事」です。
つまり商社の営業は、さまざまな商品やサービスを仕入れて、それを国内外の顧客に販売する仕事です。商社は様々な業界にまたがり、原材料、製品、技術、エネルギーなど幅広い品目を扱います。営業担当者は、供給者と顧客の間での取引を仲介し、適切な商品を適切な場所に届けるための交渉、契約締結、物流の調整などを行います。また、市場の動向を分析し、新たなビジネスチャンスを見つけ出すためのリサーチや戦略立案も重要な役割です。商社の営業は国際的な視野を持ち、多様な文化やビジネス慣習に対応できる柔軟性が求められる職種です。
具体的な仕事内容を解説します。
原材料営業
原材料営業は、例えば鉄鋼、非鉄金属、石油製品などの産業用原材料を取り扱います。具体的には、鉄鋼メーカーから鋼材を仕入れ、それを自動車や建設業界の企業に販売する業務があります。営業担当者は、原材料の品質、価格、供給量を把握し、顧客企業の要求に合わせた提案を行います。例えば、自動車製造会社が特定の強度と耐久性を持つ鋼材を求めている場合、営業担当者は最適な製品を選び、適切な価格での供給を交渉します。
また、国際市場での取引が多いため、為替レートや国際貿易の法規制、物流の管理などにも精通している必要があります。このように、原材料営業は顧客のニーズを満たし、安定した供給を保つことで産業界の基盤を支える重要な役割を担っています。
機械・設備営業
機械・設備営業は、例えば工作機械、建設機械、医療機器など、各種産業用または専門分野用の機械や設備を扱います。具体的な例としては、自動車製造用のロボットアームやCNC(コンピュータ数値制御)工作機械を自動車工場に提供する場合が挙げられます。営業担当者は、これらの機械の技術的な特徴、性能、価格を理解し、顧客の製造プロセスや生産目標に合わせた最適な機械を提案します。
また、医療機器の営業では、病院や診療所に最新の医療機器、例えばMRIやCTスキャナーを提供する業務が含まれます。ここでは、機器の精度や操作性、患者への安全性などが重要な要素となります。
このように機械・設備営業では、製品の専門知識に加え、顧客の業界特有のニーズを理解し、技術的なソリューションを提供する能力が求められます。また、長期にわたるアフターサービスやメンテナンスの提案も含まれることが多く、信頼できる顧客関係の構築が重要です。
消費財営業
総合商社営業
総合商社営業は、多岐にわたる商品やサービスを国内外の市場に提供する業務です。例えば、総合商社の営業担当者が、国際的な建設プロジェクトのために建設機械や資材を提供する場合があります。この場合、建設機械のメーカーから重機を仕入れ、プロジェクトを実施する海外の建設会社に販売します。また、同じ営業担当者が、エネルギー資源の取引にも関わることがあります。例えば、中東から原油を輸入し、国内の石油精製会社に販売する取引を担当することもあります。
総合商社の営業は、幅広い業界知識と国際ビジネスの経験が求められ、多様な商品や市場の動向に精通する必要があります。また、複数の国や文化を跨ぐ取引のため、異文化コミュニケーション能力も非常に重要です。総合商社の営業は、多岐にわたる産業と接点を持ち、国際的なビジネススキルを磨くことができる職種です。
専門商社営業
専門商社営業は、特定の分野に特化した商品やサービスを扱います。例えば、医療機器を専門とする商社の営業担当者は、病院やクリニックに最新の医療機器や診断機器を提供します。この営業職では、医療機器の技術的な詳細や機能性を理解し、医療施設のニーズや要件に合わせた製品を提案することが求められます。また、食品を専門に取り扱う商社の営業担当者の場合、国内外の食品生産者から高品質な食品を仕入れ、スーパーマーケットやレストランに販売します。この場合、食品の安全性、品質、産地情報を顧客に伝え、信頼を築くことが重要です。
専門商社の営業では、その分野の深い知識と市場動向の理解が不可欠であり、顧客との信頼関係構築が成功の鍵となります。専門性の高い商品を扱うため、詳細な製品知識と顧客のニーズを的確に捉える能力が求められます。