以前の職場で、部下の個人面談を年間100名以上行った経験があるのですが、当時、頭を悩ませていたのが、人によって「苦手意識(めんどくさい)」と感じる項目が異なることです。
同じ仕事を複数の部下たちに頼むと、個人によって成果にバラつきが出てしまい、想定通りに事を運ぶのが難しいと感じていました。
どうすれば、部下たちの「苦手意識(めんどくさい)」という感情を飛び越え、外的報酬に頼らずにモチベーションを高められるのか。その方法を模索していましたが、その中で6つのパターンを発見しました。
- 初めて経験すること
- 同じ作業を繰り返し行う
- 目で見て理解、記憶する
- 耳で聞いて理解、記憶する
- 自分自身で考え、検証を重ねる
- 対人コミュニケーション
このパターンは、営業現場でも目にする機会が非常に多いのではないでしょうか。
たとえば、お客様のヒアリングが得意な人・苦手な人がいたり、パワーポイントなどでプレゼン書類を作成する場面で苦手意識が先行してしまい、同僚に作成を依頼してしまう人を多く見かけます。
このパターンを回避するための「簡単な方法」を実践することで、私は個々によって異なる6つのパターンを全て克服することが出来ました。
今回は、この「簡単な方法」をお伝えいたします。
どのパターンに該当するのか把握する
上記1~6のパターンを大まかなジャンルとしてとらえ、部下たちがどのパターンに該当するか注視します。
試しに「ある程度の勉強、もしくは準備が必要な仕事」「毎日、継続する必要がある仕事」など、6つのパターンに当てはまる仕事を部下に任せてみます。
部下たちがやり終えた仕事の内容を確認してみると、どのパターンに該当するのか把握することが出来ます。
この情報は、今後の個人面談などでも活きる情報なので、部下たちの目に届かないようメモしておくと良いでしょう。
パターンによって異なる「苦手意識」を改善させる伝え方
①初めて経験すること
もし、社内マニュアルに目を通せば解決できる内容であれば、最初は一緒にマニュアルを読み込みます。
その都度、共にマニュアルに目を通すことは出来ませんので、どのようにマニュアルを活用すれば良いかアドバイスしてあげましょう。
「読めばわかるから」と突き放してしまうと、マニュアルを読むのがめんどくさい・・・となってしまいますので、自発的にマニュアルを活用できるまで、フォローし続けましょう。
もし、社内マニュアルが無いようであれば、調べ方を教えてあげましょう。
「Google検索」で大抵の情報が収集できる時代ですが、検索する癖が無い段階で、いきなり「ググって!」と指示をせず、検索キーワードのコツなど、丁寧に教えてあげましょう。
「調べ方がわからない=めんどくさい」と感じてしまう傾向が高い為、自発的に行動できるまで見守ってあげましょう。
(新しい事を学ぶ力を「記銘力」と呼びます。この力を継続的に高めることで、より良い判断力を養うことに繋がります。)
②同じ作業を繰り返し行う
「これって意味あるんですか?」と疑問を持ちやすい傾向が高いため、この仕事を任せる前に目的や意味を説明します。
納得させやすい内容であれば問題ありませんが、場合によっては納得が得られないこともあります。
その場合は、説得させるのではなく、「チームの役割分担」という観点で仕事を任せましょう。
「仕事を丸投げしているのではなく、役割を担ってもらいたい」ということを伝えることで、継続が苦手な人でも克服できるようになります。
③目で見て理解、記憶する
④耳で聞いて理解、記憶する
③と④は同じ方法で、とにかく文字起こしさせるのが有効です。
また、ある程度のメモ量が確認できたら、そのメモを活用した「社内マニュアル」を作成させましょう。
メモを取らせる=インプットと、社内マニュアルを作らせる=アウトプットを経験することで、飛躍的に理解度が高まります。
⑤自分自身で考え検証を重ねる
何もない状況から考え出すことは非常に困難です。その為、「改善課題」などの着地点を用意し、そこから逆算したプロセスの組み方を教えます。
どのような手順が正しいのか、実際に行動しないとわからない事が多くありますが、プロセスを組んだ経験が多ければ多いほど、正しい判断力が養われます。
「君ならどうする?」と問い掛け、自らプロセスを考えさせる機会を少しづつ増やしていきましょう。
⑥対人コミュニケーション
一番効果的なのは、コミュニケーションを重ねた相手が喜んでくれた「成功体験」を感じることです。社内で「感謝の気持ち」を伝える社風を整えたり、お客様からの喜びの声を共有すると非常に効果的です。
時間がかかりますが、継続し続けることで行動に変化が生まれます。
まとめ
「伝え方」を工夫するだけで、部下たちの動きに変化を生むことが出来ます。誰にでも同じ指示や教え方をしても、大幅な成果に繋げることは難しいでしょう。
また、「面倒だな」「やりたくない」という>マイナス感情をアウトプットしてしまう人と、「これは成長するチャンスだ!」というポジティブな感情をアウトプットできる人では、日頃の立ち振る舞いや第一印象でも大きな違いが生まれます。
ポジティブな営業社員が増えることで、会社全体のモチベーションアップにも繋がりますので、マイナス感情をアウトプットしてしまう習慣は早急に無くしてしまった方が良いでしょう。
部下たち一人ひとりの個性を認め、彼らに合わせた「伝え方」を実践しましょう!