営業パーソンにとって最も重要なことはなにか??
それは、商品をお客さんに買ってもらい、喜んでもらうことですね。
あるとき新人営業からこんな質問を受けたことがあります。
「営業先で商品を買ってもらうにはどうすればいいんですか?」
・・・・回答に困る。汗
答えは実にシンプルで『大事なのはやり方よりも考え方』
その考え方が、『お客さんの立場になって考える』ということです。
ああ、何度も聞いたよそれ・・・
具体的には何? を思いましたか?
とはいえ『お客さんの立場で考える』という言葉はシンプルなのですが、出来ている人はわずかです。
『分かる』と『出来る』は大きく異なります。ですので、どうやったら出来るようになるのかを話していきますね。
実は、全てのお客さんは、こんな風に考えています。
「現状から理想へ移動したい」
これだけです。
現状 ⇒ 理想 このように。
今ある現実から進んでいって、理想に到達していきたい。
本当にコレだけです。
人は常に、この状態を行ったり来たりしている。
ただ、それだけなのです。
ただし多くの場合、理想に行けずに困った事態がおきます。
つまり、壁が現れます。
壁に阻まれて理想に到達することが出来ません。
イメージにすると、現状 ⇒ 壁 ⇒ 理想。という状態になるのです。
例を出しましょう。
ex.売れる営業になりたい
現状は 売れない
理想は 売れる
壁は、上司の言う通りにやったが結果がでない、
とか、商品の営業手法と戦略が疑問。情報が多すぎてよくわからないなど、その壁によって売れる営業になりたいけど売れない営業の状態が続いているということです。
そして、この壁を取るのが商品であり、サービスになってきます。
つまり、
現状 ⇒ 壁 ⇒ 理想
↑
これを商品で取り払う
という構図があるのです。
商品の例を出してみると、それこそ色々な例があります。
商品例)
- 営業研修
- 営業本
- セミナー
- セールスパフォーマーブログ
- 転職(笑)
などなど。
こんな風に、理想と現状の間の壁を取るために、様々なサービスが生み出され続けているというわけです。
そして、お客さんは、この構図の中で商品を買っている。ということを理解をしてほしいのです。
そして、商品を提供する営業パーソンはお客さんが
現状 ⇒ 理想
という状況になれるように、努力をするということが基本です。
最大のポイントは商品のことよりも、お客さんの現状、理想、壁を聞くのが先ということです。
先ほどの例で言えば、
- 現状は売れない営業
- 理想は売れる営業
ということでしたから、自社の商品の説明が先ではなく現状と壁をヒヤリングする。
そして到達したい理想の状態を聞いて、到達させられるかを考えることです。
また、ここでのポイントは、そもそも、売れる営業になりたいという場合、冒頭にあった新人営業の質問のように『売れるコツ』を探すことは、視点がズレていると言いたいのです。
間違ってはいないのですが、売れる方法はないかな?
という視点では、最適な解が出てこないのです。
なぜなら、そこの質問にはお金を払うお客さんの視点が抜けているから。
つまり、売れる原因であるお金を払ってくれる人にとっての価値を考える視点が抜けているのです。
だから売れないのです。
お客さんは理想に行きたくて、それが営業マンが提案する商品であれば、それが出来ると思う。
だから、買ってくれるのです。
お客さんの理想と現状を把握し、それを遮る壁を理解してあげて、壁を取っ払う方法を教えることが営業の仕事だとわかったことでしょう。
この考え方を通して、商品やセールスのメッセージを考えることによってうまくいくのです。
具体的には、商品を販売するときこの商品を通して、お客さんの現状と理想をヒアリングし、理想へいけるかを一緒に考えるのです。
その結果、他社の営業は商品の宣伝ばかりの中、あなたが話すメッセージが相手の心に刺さるのです。
何故なら、そこにある言葉は売るための言葉ではないから。
そこにあるのは、お客さんが理想にいくために壁を取っ払ってくれる情報だから。
この『お客さんの立場になって考える』という考え方の本質がわかってしまえば、自分がやるべきことが分かり、自分に足りないことが分かり、改善していくことで本当に売れるようになるのです。
そもそも商品というのは、誰かを今いる現実から理想へと連れていくために存在しています。
なので営業がすべきことは、相手の現状を理解し、壁を見つけてあげ、それが自社の商品で解決できる場合のみ、商品を提供するということなのです。
商品のセールストークや切り返しトークを磨いても売れない理由が分かりましたか?
ですので、商談の時にこの構図に当てはめて話をしてみてほしいのです。
現状 ⇒ 壁 ⇒ 理想
つまり、お客さんが行きたい理想はどんな状態で、今いる現状はどんな状態で何が壁になって困っているのか。
これがわかってくれば、『お客さんの視点』に立った上で、お客さんと一緒に理想を見つめることが出来る。
そして、お客さんと一緒に考えることで、商品を売ることが出来るのです。
まとめると、お客さんは「商品そのもの」を欲しがっているのではないんだということです。
お客さんは、現実から理想へ移動をしたい。
だけど、何かの壁があって今は出来なていない。
そこを助けてあげ、その対価をもらうのです。
『営業』というものに対して何を行っていけばよいかというのが見えてきたでしょうか?
先ずはこの考え方を取り入れてみてください。
追伸
ちなみに、この考え方は訓練ができます。
それは、過去に売れた特定の人を想定し
『 現状 ⇒ 壁 ⇒ 理想』
を考えてみてください。
そうすれば、本当に売れた理由が分かってきます。
更なる応用としては、「相手が理想と思っている以上の世界へ連れていってあげよう!」と考えることです。
もし、理想以上の世界を相手に見せれた場合、売れちゃって困る状態になりますよ。
何度も見返し、トライして、『お客さんの立場になって考える』思考を自分のモノにしてみてくださいね。